アメリカの民泊事情

何がそんなに違うのか?アメリカの民泊事情から学ぶ

日本の民泊事情は今、コロナの中で大打撃を受けている状況ですが、世界をみても同じ様な状況が続いています。

コロナの前を振り返れば、日本では2018年に民泊新法が施行され、違法な民泊は減少しましたが、地域住民とのトラブル等、まだまだ問題はあります。

世界をみても、あちらこちらで民泊に対する法律の改正がされたり、地域住民とのいざこざ等、状況は日本とほぼ同じです。

ハワイでもコロナの直前はバケーションレンタル法の改正で30日未満の短期民泊、つまりショートタームレントが禁止になり、多くの民泊が大打撃を受けました。

決して順風満帆では無い民泊業界ですが、アメリカ大手民泊仲介サイトのAirbnb(エアビー)は2020年のコロナ絶頂期に上場し、現在はアフターコロナに向けてホスト拡大等、至って前向きに準備しています。

緩やかに回復をみせているアメリカの民泊と、今一つ伸び悩む日本の民泊では何がそこまで違うのか?

元々コロナに対して比較的経済優先思考の欧米諸国と、殆ど鎖国状態の日本の政府のスタイルが大きな要因ではありますが、アメリカでは殆ど国内の需要だけで伸ばしていると言っても良いくらいです。

国境を越えることの多いヨーロッパと違って、日本はアメリカと共通して国内に十分な民泊や宿泊の需要があります。

この様な観点からもアメリカの現在の目論みと、日本がどの様に変わっていくべきかを検証していきたいと思います。

 

日本の民泊はそもそもオリンピックに向けて宿泊施設を確保するという観点から始まっていますが、アメリカをはじめ多くの欧米諸国ではエアビーの様な民泊仲介サイトが出来る以前から民泊はありました。

民泊が拡大していくと騒音や犯罪等のトラブルや、地域コミニティーの破壊等に繋がっていく事は、世界中共通して起こるという事は分かって来ているのですが、日本はそもそも民泊に対する歴史が無く、法律で整備された後でも慣れない近隣から白い目で見られがちな雰囲気があります。

正確に言いますと日本にはかなり昔の江戸時代から民泊というものは存在していました。

この時代は特に街道沿いにある民家に泊めてもらうことを民泊と言い、無償で泊めてもらう事をいっていました。

そして現在のお金をもらって民家に泊めてもらうというスタイルになったのは、あまり知られていませんが1964年の東京オリンピックの時が最初です。

この時も海外からの旅行者に対して不足する宿泊施設を補う手段として政府が提案しました。

欧米等では元々B&B(Bed&Breakfast)が一番お手頃な宿泊手段としてありました。

その名の通りベットと朝飯だけ提供しますという事ですが、文化としてアメリカやヨーロッパなどの家にはゲストルームが普通にあり、常に誰か来ても泊められるような余分な部屋がある事が珍しくありません。

ヨーロッパのイギリスでは、B&Bはホテルに泊まるよりも満足度が8%も高いという事が調査で解っています。

Airbnbエアビーという社名もエアーベッドと朝食という意味で、実際に創設者のブライアン・チェスキーさんが自分の住んでいたアパートのロフトにエアーベットを置いて、貸し出した事から始まったのでAirbnbという社名になったと言っています。

そしてブライアン・チェスキーさんは言います、”不確定要素が多いので、明確に将来はの事は予測できない”と言いつつも、コロナ禍で大きな旅行が出来なくなった分、友達や家族に会いにいく様な小旅行が密かなブームになっている。

BCCのインタビューでも”パンデミックの影響で新たな旅行スタイルが生まれ、民泊需要がまた高まっていくだろう」と述べています。

リモート化によってわざわざ休暇を取らなくても気軽に旅行に行く事が出来るようになった。

そんな事からもアフターコロナは旅行にいく機会が増え、コストの安い気軽に出来る旅行はより重宝される様になるでしょう。

私たち民泊事業者も、まだ民泊を始めていない人達も、新しい旅行スタイルの普及に対応すべく、今から準備をしておく必要があるのではないでしょうか。

民泊が本格的にスタートし出すのは実はこれからかもしれませんね。