イチローとショウヘイ
皆さんはこんな学生時代の経験はあるだろうか?
高校生高学年にもなると学校の先生と親から将来はどんな仕事に就きたいのか?その為にはどんな大学のどんな学部に進むべきか?言う選択を迫られた事はあるだろうか?
そしてその仕事は一生変える事は出来ない。
昭和が終わり平成が始まって間もなく、私は高校2年生の人生で一番楽しかった夏休みの最後に、誰もいない教室で父親と担任の先生に、私は生涯の生業を決める選択を迫られていた。
仕事と言えば、バイトしか経験の無い自分にとって、本心はもっと色々な事を経験したいと思っていたが、そんな事は言えずただ下を向いて黙っていた。
それをどういう風に説明したら良いのかがわからなかった。
1つの事をコツコツと職人の様に続ける事は、社会に出ても一つの会社で定年まで勤め上げることが、日本では当たり前だった時代だったのかもしれません。
それが真面目で勤勉な日本人的な美学とも言えたかもしれません。
それを証明するかのように野球界ではイチロー選手が日本からアメリカのメジャーで、大活躍した。
ホームランこそがメジャーリーグで評価される一番の方法と思っていたが、メジャーリーガーとしては細身だったイチロー選手は、当初アメリカではそれほど期待はされていなかった。
しかし、日本人的な野球スタイルとも言うべきイチロー選手は、皆さんもご存じの通り地道に俊足を活かし盗塁と、内野ゴロでも内野安打にするその足を活かして、少しづつその存在感を不動のものにしていき、マリナーズのイチローから、メジャーリーガーのイチローになり、長い間もっとも有名な日本人メジャーリーガーでした。
これこそが日本の野球、このスタイルこそが日本人、そんな印象をアメリカ人に与えた選手でした。
それから20年余り過ぎた現在、新しいスタイルの日本人メジャーリーガー大谷翔平選手が現れました。投手も打者もこなす大谷選手はイチロー選手とは真逆とも行っても良いようなスタイル。2021年は打者としてもホームラン46本も打ったホームランバッターでありながら、投手としても9勝をあげるエース級の働きで、メジャーリーグ界を驚かせました。
大谷選手は打者と投手の二刀流というメジャーリーグにもいない、ド派手なスタイルで2021年のメジャーリーグを盛り上げました。
アメリカでは1つの仕事を続けていると無能だと言われます。
3年前にしていた仕事と今でも同じ仕事をしているという事は、あまり好ましく無いと言うことです。
3年前にしていた事を活かして、違うことをしているという事が成長しているという風に評価されます。
全く違う事をしろとか、前にやっていたいた事を辞めろとかいう事ではありません。
今までの経験を活かしてステップアップしていけという事です。
勿論、全く違う事をする事も自分の成長の為には勧んでやるべきです。
私はこの事を知った時、世界が広がった様な気持ちになりました。
アメリカに来た当初、日本人的なスタイルで真面目に働いて評価を得ようと頑張っていましたが、それではアメリカでは通用しません。
その証拠にアメリカの大学には様々な年齢の人達が、幾つになっても学びにきます。
私も30代後半の時に大学に戻りましたが、自分より年上の人達は沢山いました。
リタイヤ後に学校に戻って来たという人も珍しくありません。
今でも時間があったらまた大学に戻りたいと思っています。
仕事を変えてみる。仕事を複数やってみる。自分のスキルをあげる為には何にでもチャレンジしてみてもいい。
定年?年齢?そんなものは関係ないよ、実力さえあれば評価されるよ。
何歳になっても成長できる。
そんなアメリカ社会の考え方は大好きです。