ハワイの建築事業

日本人には理解し難いのんびりハワイ時間。

ハワイだけでなく、アメリカが全体的にそうなのかもしれませんが、とにかく工事や修繕などを頼むと日本とは比較にならないくらい時間がかかります。

特にハワイはアメリカ本土の人からも遅いと言われるくらいに遅い。

スーパーのレジなどもいつも大行列、かと言ってレジの店員は急ぐ事もなく、お客さんと世間話をしています。

しかしそれくらいならまだ、ほのぼのしていて許せます。

 

今回はショッピングモールの排水管を交換する事で、工期は2日という事でした。

実はこの排水管を交換する工事は、昨年の11月からやっています。

一気にやってしまうとショッピングモール自体を一旦クローズしないといけなくなるので、計画的に部分毎やって来ました。

これについては後ほどお話ししますが、今回はその最後の工程です。

全ての排水管の最後の部分と市の排水管を繋ぐ作業。

この部分は駐車場の下のコンクリートに埋まっているので重機を使ってコンクリートに穴を掘って排水管を出します。

コンクリートは上の部分だけなので、排水管がある部分は土に埋まっています。

これでまず1日目。

 

2日目は、古い排水管を新しいものに交換し穴を埋めると言う予定。

ここで必要になってくるのは穴を掘って埋めてくれる建設業者と、排水管を新しい物に交換する配管業者、そして市の担当者、それぞれ2ー3人ずつのチーム。

 

まずは1日目、建設業者の方達3人で予定していた部分の半分まで掘り起こしました。

いきなり初日から予定の半分で帰ってしまいます。

2日目は作業を開始しましたが2時間程して雨が降ってきたので中断、この日は雨も止みそうもないので解散。

 

3日目、予定部分の全てを重機で掘り起こし、ようやく古い排水管全部が出てきました。

この日建設業者の方に意気込みを聞いたところ、今日で一気に終わらせるという事だったようなので、配管を交換する為に配管業者、市の配管を確認する為に市の担当者の方達も来ましたが、なぜか作業を数時間観ただけで帰ってしまいました。

 

4日目、朝から建設業者、配管業者、市の担当者の方達全員集結。

総勢10人かがりで排水管を交換し、市の排水管と繋ごうとしましたが、パーツが足りなかったらしく、この日も早々に全員撤退。

5日目、この日は土曜日でしたが何とか頼んで来てもらい、無事排水管が繋がりました。

6日目は日曜なのでお休み、7日目に土で埋めた後にコンクリートで固めてようやく終了しました。

 

2日で終わる仕事が1週間で無事終了。

これがハワイの建築事情、2日で終わる訳が無い!

こんな事は日常茶飯事です。

この間、ショッピングモールの店舗は2日間の営業停止を予定していましたが、それが7日間になり大きな損失です。

そしてこの工事にかかった費用と、建設業者と配管業者の人達の人件費。

人件費は基本的に時間給ですので1時間$50−120位が相場です。

建設業者の人達が穴を掘っている時間、配管業者の人達は周りで観ているか休憩しているかで、配管業者の方が排水管を交換している時は、建設業者の人達は休憩していました。

この時間も含めて全てに無駄な人件費がかかっています。

 

実際に私はテナントの一員としてしか意見は言えませんでしたが、急いで欲しいと言うことは頻繁に伝えていました。

このショッピングモールのオーナーが観に来る度に、彼の横に行き工事に関わる人達に意見はしていましたが、お前は誰なんだという対応しかありませんでした。

基本的にはショッピングモールのマネージメントが指揮をとることで、工期を延期せずに進める事は難しい事ではありません。

ハワイではこの様に複数の業者が同時に作業を行う時、日本で言うところの現場監督の様な存在が居ると居ないでは工事に大きな差が出来てしまう事がほとんどです。

 

その証拠に、これ以前に各店舗毎に全ての排水管を交換しましたが、私がやった店舗は私自身が指示を出しながらやったので、店舗の業務が終了して直ぐに工事を開始してもらい、次の日の開店までの一晩で終わらせる事ができました。

一晩中工事に付き合うのは正直しんどかったですが、お店を閉める事なく次の日も普通に営業出来たので損失はゼロです。

 

隣の店舗は同じ事をするのに業者任せ。

業者が好きな時間に来て、帰りたい時間に帰って、誰も来ない日もありつつ、結局1週間もかかっていました。

 

これ程に差が出るハワイでの工事や修繕ですので、人任せにすると予想外に費用がかかります。

自分が出来ない場合でも、信頼のできる業者か、信頼のできる人に現場を管理してもらう事がハワイのみならず、アメリカでは非常に重要になってきます。

日本人としては考えられないかも知れない事かもしれませんが、これが工事費がかかってしまう大きな要因です。

しかも今では、建設材料の高騰もありますので日本でもそうですが、本当にちょっとした工事でも意外と費用がかかります。

 

気を付けないと驚くような請求書が届く事になりますので、工事の前に必ず見積もりをとって、予定通りに行くように管理していきましょう。

それでは、また!