値上げラッシュでインフレが止まらない 

日本のインフレが止まらない。

去年までデフレだったのにUターンして一気にインフレ。

慌てふためく国民に次から次へと襲い掛かる値上げが始まりました。

このインフレはいつまで続くのか?

どうなってしまうんだろう?

なぜ、急激にインフレが起きているのか?

今日はこのインフレが起きている要因について、アメリカから見ている視点と、日本の視点とでお話ししたいと思います。

 

元々、物価が上がるということに対してアメリカでは比較的国民は受け入れがちであるのに対して、日本ではかなり悲観的であるというところがあります。

物価が上がっていくのは経済が上昇している証なので、仕方ないとアメリカでは捉えるところがあります。

これは悪い事ではありません。

むしろ不動産や物の価値も上がっていきますし、それと共に当然賃金も上がっていくからです。

 

しかし日本では30年間もこの現象が起きておらず、新社会人の賃金も30年前と殆ど同じ。

あの国民的人気のアイスキャンディー、ガリガリくんが値上げする時もCMで社員一同がおじぎをして、30年間頑張りましたがついに値上げさせていただきますとしていたのも記憶にある方もいるかもしれません。

このCMはニューヨークタイムズでも話題になりました。

アメリカ人からするとなぜ?という事です。

今年に入って起きているこのインフレの原因は、主に二つあります。

インフレにはコストが上がるインフレと、需要が過熱するインフレがあります。

一つ目の原因はロシアのウクライナ侵攻で原油や小麦の価格が上がったり、上海のロックダウンなどコロナの影響で物不足や半導体不足が起き、この前者の”コストが上がるインフレ”が起きました。

 二つ目の原因は需要が過熱するインフレで、コロナ禍の期間に企業にデジタル化のブームが起きてIT投資が増えたことや、アフターコロナのリベンジ消費が始まったことが”需要過熱によるインフレ”の原因です。

このふたつが同時に起きているので世界中でいろいろなものの価格が上がっているのです。

それにしてもアメリカの消費者物価指数は8.5%も上昇しているのに対して、日本は2.4%に留まっています。

ただしこれは日本の場合は急激なインフレによるスタグフレーションを防ぐために小出しにしている可能性が高いです。

今回の値上げラッシュで控えめに5%程度の値上げに留まっているところは、段階的に値上げされると思います。

それによって値上げ感を無くそうという事です。

そこまで日本は値上げに対して消費者は敏感です。

やはりこれも30年間、日本の物価や賃金が上がらなかった要因でしょう。

これを空白の30年ともいいますが、企業も値上げに対しては消費者の顔色を見ながらという感じでしょう。

日本はインフレだけではなく円安も付随しているので、ある意味これくらいの値上げ幅でないとパニックが起きるのかもしれません。

 

それにしても日本のインフレに比べて、アメリカのインフレは異常ともいうべき過去最悪の状況です。

このままいくと消費者物価指数の上昇は10%を超えてしまう可能性もあります。

これは単純に100万円が90万円の価値になってしまうという事で、何もしていなくても全ての資産が勝手に目減りしてしまうという事です。

しかし今回のインフレの根元はアメリカ以上にヨーロッパの消費者物価指数の上昇率の方が高く、このへんが震源地になっています。

そろそろ抑え込んでおかないと色々なところに影響がでて、深刻な問題になりそうです。