銀行が潰れる?
最近、何かと話題になるのが銀行が潰れるかも知れないという事。
2023年に入ってから、アメリカではシリコンバレー銀行が経営破綻したことをきっかけに、シグネチャー銀行、今月に入ってからもファースト・リパブリック銀行も事実上の経営破綻となり、一体何が起こっているのか?よく分からないという方も多いと思います。
その大きな原因は預金者が口座からこぞってお金を引き出す「取り付け騒ぎ」が起きて破綻に追い込まれたことだと言われています。
でも、なぜそんな事が急に起きたのでしょうか?
主にこの「取り付け騒ぎ」で預金を大量に引き出す必要があったのは、個人ではなくベンチャーなどの企業です。
アメリカの金利の引き締めによってお金を借りにくくなったベンチャーなどの企業が、資金繰りのためにこぞって預金を引き出した事が原因です。
特にスタートアップなどのITベンチャーは、利益が出るまでには時間がかかります。
資金がないと利益が出る前に経営破綻してしまう事が多いので、資金繰りがスムーズにいかないと困ります。
これによってアメリカは今後景気が悪化していくのではないか?とも言われています。
株価にも大きな影響が出て、アメリカを代表するS&P500等にも大きな影響が出るのではないか?と懸念されていますが、実際にはベンチャー以外の資金が潤沢にある大きな企業はこんな状況でも流石に強いです。
ベンチャーでも大手がサポートしている企業は全く問題は無さそうですね。
しかしながら、私トシ伊藤もアメリカに住んでいて何も感じないかと言いますとそうは思いません。
実際にインフレはスローダウンしてきた様にも感じてはいますが、以前と比べれば物価は大分高くなりました。
それに伴って賃上げも加速しています。
私もハワイ州で飲食店を経営しておりますが、ますます中小企業にかかる負担は重くなってきています。
私共にとっては今年、来年は頑張りどころの様な気がします。
銀行などの金融機関の融資が厳しい状況なら、資金繰りが重要になってきます。
銀行としても本業である融資がし難い状況になって来ているという事は、銀行にとっても厳しい状況になる事は間違いありません。
そうなるとやはり銀行の経営が悪化し、破綻に追い込まれる銀行は今後も出てくると思います。
日本でもバブル崩壊後の2000年前後に、いくつかの銀行が破綻した事例があります。
それらをいくつか紹介しますと、1997年長銀でお馴染みだった長期信用銀行が経営破綻しました。
不動産バブルの崩壊や不良債権の増加が主な要因でした。
その後、国有化され、2000年には新生・長銀(現在の新生銀行)として再出発しました。
1999年、愛知銀行が経営破綻しました。
これも不動産バブルの崩壊と不良債権の問題によるものでした。
その後、トヨタ自動車グループが出資し、現在の愛知みずほ銀行として再編されました。
2003年には、千葉銀行が経営破綻しました。
同様に不良債権の問題が主な要因でした。
その後、三菱東京フィナンシャルグループ(現在の三菱UFJフィナンシャルグループ)によって再編されました。
銀行が潰れるリスクに備えるために、個人が取るべき対策とはどんな事なのでしょうか?
今、アメリカでは個人でも実際に銀行破綻が起きた事を想定して、預金の分散が対策として挙げられています。
預金を複数の銀行に分散して預けることで、一つの銀行が潰れても全ての預金を失うリスクを軽減できます。
銀行には預金保険制度というものがあり、金融機関が破綻した場合、一定額の預金などを保護するための制度です。
アメリカでは 預金を取り扱う金融機関は加盟が義務付けられ、1口座あたりの預金保護上限は25万ドル(約3380万円)は保護されます。
日本では口座ごとではなく、1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1,000万円までとありますが、銀行や口座の種類によっては保護されないなど制度が統一されていません。
自国の預金保険制度について詳しく調査し、預金保護の範囲や条件を理解し、もし銀行が潰れた場合にどの程度の保護を受けられるかを把握しておく事は必要です。
銀行の信用評価や安定性について情報を収集し、信頼性の高い銀行を選ぶことが重要です。
そして、銀行の預金だけでなく、株式、債券、不動産、商品など、異なる資産クラスへの投資を考慮することも重要です。
資産の分散はリスクを分散させ、銀行の潰れによる影響を軽減することができます。
現代はあり得ない様な事が起こる時代。
まさか銀行が潰れて預けていたお金がゼロになってしまうなんて事はないだろうだなんて思うかも知れませんが、本当に無いとも言い切れないのが現代の世の中です。
自分の資産を守る為にも調べてみて損は無いと思います。