アメリカ人のDIYスキルの高さ

自由の国アメリカ!

強い者が勝つ、弱肉強食の社会で欲しい物は何でも揃っている。

何でもかんでも大盛りで、必要以上に物が溢れている。

そんなイメージが強いアメリカで、昨今頻繁にReuse, Reduce, Recycleが叫ばれ続けて長いです。

あのジャックジョンソンの子供向けの歌にもReuse, Reduce, Recycleを説明する歌があります。

DIYの良いところは木材を使う事でその木を何度も使う事が出来る事。

さて、アメリカ人のDIYスキルを説明する上で、お話しておきたいハワイのオアフ島にある2つのお店があります。

一回作った物をまた壊して、作り直すことが出来るのが木材。

それを家具等ではなく、家やホテルをぶっ壊してまた何かに作り直すと言う事をビジネスにしている会社があります。

 

一つ目にご紹介したいのは、ハワイのオアフ島にありますReuse Hawaiiという、リサイクルショップです。

この会社、依頼を受けるとでっかいトラックでガタイの良い作業員達が家を奇麗に解体しながら、使えそうな木材や家のあらゆる部分を選別しながら、Reuse出来そうな物と廃棄する物を分別していきます。

そこで拾われたReuse出来そうな木材や、ドアやドアノブから、フローリング、豪邸に置いてあっただろう銅像みたいなものまで使えそうな物はすべて、倉庫を使ったかなり大型の店舗までもっていき、そこで販売しています。

日本ではショベルカーで家を解体していく様をよく見かけますが、アメリカではあまり見ません。

アメリカではあまり家を壊して立て直すことは出来るだけしないのです。

家はペンキを塗り直したり、窓やドアを変えたり、内装をやり直したりして、出来る限りReuseしていきます。

そこのアメリカと日本での違いはズバリ不動産の建物に対する資産価値の考え方の違いにあります。

日本では30年位すると建物の価値がゼロになってしまい、土地のみ運が良ければ上がると言うシステムです。

これですと正直、日本では不動産投資は素人には難しいです。

日本では以前バブル時代に不動産の価値が高騰し、その後バブルが弾けて暴落したのも記憶に新しい事と思います。

それ以降、不動産に対する日本人の考え方も大分ネガティブになっていると思います。

一方でアメリカでは、建物が築100年経っていようが、その資産価値がゼロにはならずにしっかりと資産として維持できている事はよくある事です。

アメリカでも2008年頃にサブプライムローン問題で不動産価格が暴落した事がありましたが、その後は盛り返し現在はサブプライム以前よりも良くなっています。

歴史を探ると1929年の大恐慌の時も一度は暴落しましたが、この時も緩やかに盛り返してきました。

そんな事からもアメリカ人の不動産に投資する考えもポジティブで、必然的に資産や税金に対する教育が必要だと言う事を理解しています。

アメリカでは家を買った後に土地と建物の価値が両方とも上がっていき、不動産を持っている事により資産としての価値が上がっていくのです。

更に建物はUpcycleする事によって更に価値を上げる事も可能です。

家の一部を改装したり、直したりする場合、アメリカでは殆どの場合、建築士に設計図を作ってもらい、許可申請をする事が必要です。

許可が下りれば、自分の家なのだから自分で改装したり、直す事も可能です。

特にハワイの場合、人件費や工事費が物凄く高いので、その工事チームの中に自分も加わって協力したり、多少の知識がある人等は、指示を出して工事を早く終わらせる為に努力する事も珍しくありません。

そして、それも認められています。

家を資産と考えるので、資産と言うのは利益を生むものなので、改装して賃貸する。

利益の幅を少しでも出すために、改装コストや税金の事まで考える事は、一つのプロジェクトとして大事な事です。

 

さて、2つ目に紹介しておきたいのが、こちらもハワイのローカルのホームセンターです。

The Home Depotは全米でも有名な大きなホームセンターですが、もちろんThe Home DepotもDIYをするには欠かせないお店です。

でもThe Home Depotでなくて、それよりも大分小さいローカルのCity MillというホームセンターがDIYをするには欠かせません。

その理由はDIY知識の高い、殆どが定年を過ぎた年配の従業員達です。

彼らのアットホームさと、質問するといつでも親身に考えてくれる姿勢が凄いのです。

品揃えや店舗の規模はCity MillはThe Home Depotに比べると1/10くらいですが、City Millの従業員は自分のお店に無い物でも“その部品ならThe Home Depotに行けばあるよ”何て他店の情報まで教えてくれます。

City Millは商品を売っていると言うより、その知識を売っているホームセンターです。

その定年を過ぎた従業員のDIYの豊富な知識と経験が100年以上もハワイのローカルに愛され続ける、老舗ホームセンター売りなのです。

その知識は元の仕事の経歴なのだろうか?

前職は大工か建築関係かと聞いてみると、全然関係のない前職は税理士だったり、医者だったりと、まったく関係のない仕事をしていた人たちばかりですが、DIYに関してはベテランの人達ばかりなので、素人に対しての目線をもっているので、難しい事は言わずに簡単に出来る方法を教えてくれます。

このCity Millの従業員達の仕事に対するハワイ州の満足度調査でも、毎年の上位に位置していて頻繁に一位の座に就く事もあります。

私はDIYで解からない事がある時はまずこのCity Millに行って、聞くようにしています。

アメリカ人は不動産は資産であり、その資産運用のコストを抑える為には自分達のDIYスキルは必要だと言う事を理解しています。

アメリカでは家具にしても、サイズが合うものがなかったり、ハワイですと輸送コストが欲しい物の値段より高かったりで、とにかく自分で作ってしまおうと言う事が一般的なので、大衆のDIYスキルは高いのです。

生活していくのに必要な能力なスキルです。

自分に出来なそうな事はプロに頼んで、出来る事は自分でやる。

DIYは失敗しても失敗が知識になり、次に活きてくる。

挑戦する事が大事。

DIYに何より必要な事は経験です。