テスラとエアビー
シェアするという言葉は最近日本でも当たり前のように使われるようになってきた。
つまり日本語で言うと共有ですが、アメリカでは子供に対してよくシェアしなさいと使う言葉だ。
日本語では共有しなさいとは言わないと思うので、日本でもシェアしなさいだろう。
このシェアするという事がこれから物凄く、大事になってくる。
今まで考えもしなかった事が、シェアする事によって環境にも生活にも大きく役立つからである。
アメリカの電気自動車メーカーのテスラモータースは、ここ数年で高級電気自動車から一般層向けのモデル3までを販売して、私も含めて多くの人達が夢のテスラに手が届くぞーとウキウキさせられました。
一般層向けといってもベンツくらい高いですが、最初にスポーツカーのロードスター、次にモデルS、モデル3、モデルX、そして最後にモデルYでこの全部のモデルのイニシャルを繋げるとSEXYになるらしいです(笑)
このモデル3以外は全部1千万円越えです。
それともう一つ、EVトラックのセミがありますが、その後は今のところまだ発表されていません。
テスラは一般向けに車を売るという事からは撤退するでしょう。
車の販売からライドという経験を提供していきます。
物から事への転換です。
テスラモータースはどこに向かうのか?
車を自分で所有するという概念はなくなります。
自家用車にニーズは無くなるという事です。
本当に好きな人や特殊な人は購入するかもしれませんが、一般的に自家用車を持つということは意外と近い将来なくなります。
車はシェアされる時代に入ります。
そもそも自家用車は平均すると95%の時間、動いていません。
あんなに高い買い物なのに実用時間はたったの5%だけ、95%の時間は車庫で眠っています。
その眠っている時間を誰か必要な人に使って貰えば、物凄く効率的です。
そうすることで駐車場も必要なくなります。
もはや自分で自家用車を持たなくても、スマホ一つで一番近くにいる電気自動車が自動運転で家の前まで迎えに来てくれるのです。
そして自動運転で好きなところまで連れてってくれます。
そうなると、世の中から一気に路上駐車もなくなります。
ここまではテスラや、配車サービスやシェアライドのウーバー、さらにアップルまで名乗りをあげて、ほぼ最終段階に入っているのが現状です。
実際にアメリカではもうすでに自動運転の車が走っています。
ただこうなると厄介なのが、複雑な道や渋滞。
さらに歩行者との事故、物や車同士の衝突など、安全面の問題です。
そこでこの先、車は空を飛び出します。
空は広いし、人も歩いてない。
道がないので、簡単に目的地までのいける。
そして、渋滞もない。
空を飛んでいても、人々の認識はあくまで車のような感じになるようです。
シェアするという概念から安全面も克服し、一気にここまで来れたのです。
そして今すでに、多くのベンチャー企業が競って空飛ぶ車を開発しています。
このジャンルに投資する人は多いので、比較的資金はある様です。
さて、テスラはどうするのかといいますと、移動や輸送という事では更に進化を目指します。
ご存知の方も多いと思いますが、テスラのCEOイーロン・マスクはスペースXの創設者としても有名です。
人類の存続の為に火星への移住を目指しているのですが、地下にも目をつけている。
地下で何をするかというと、地下に長〜いトンネルを作ってそこに真空管を入れて、真空状態にして磁力で高速移動が出来る電車を作っています。
そしてこの3つのキーワード、共有、経験、安全を意識して強烈に追い求めた企業がもう1つあります。
それが大手民泊仲介業者のエアビーです。
このコロナの中、同業他社が勢いを失って行く中で何とか生き延び、ナスダック上場まで果たせたのにはこの共有、経験、安全がキーワードになってきます。
しかしコロナ禍ではどうしようもできない事がこの安全です。
それをどのようにして利用したのか?
経験、共有は言わずと知れたエアビーのオハコです。
民泊仲介業者の中でも経験をビジネスにしているのはエアビーの特徴です。
ホストのスキルでゲストに対して経験を提供するというサービスをしています。
そして共有する事へのこだわりは、エアビーの基本はゲストとホストが共に過ごすという、Bed and Breakfast にあります。
バケーションレンタルハウスではないのです。
そして、エアビーはどの様にしてコロナ禍で安全を追求したのか?
世の中がステイホームという中で、旅行業界は大打撃。
コロナ禍で人々は蜜を避け、仕事もリモートになり、会社に行く必要も無くなった。
家にこもっていないといけないのか?
半年経っても1年経ってもコロナはおさまらない。
人々の心に渦巻く欲求それは…
”ぎゃー旅行がしたい!何処か遠くにいきたい”
家から出る事もままならない状況でエアビーが目を付けたのは自然です。
Go to nature!
大自然であればあるほど良い。
しかし、問題が一つ。
自然にはWi-fiがない。
そこで本来はオフラインを楽しむ場であるキャンプ場等でも今や全エリアでWi-Fiはマスト。
この形をいち早く導入したキャンプ場は、コロナ禍で未だかつて味わったことのない、集客を記録したと言うことです。
そして、新しいライフスタイルとして、新ノマド族が誕生しました。
私は今年の夏にワシントン州に2週間車であちこちキャンプ巡りをしに行きましたが、この新ノマド族を沢山見かけました。
アメリカサイズのバスの様なキャンピングカーがWi-Fiのあるエリアに沢山停まっているのです。
車と車の感覚も十分に確保された広ーい敷地に綺麗なトイレとシャワー、Wi-Fiさえあれば、寝泊まりする場所はゲストが持ってきてくれるので必要ありません。
こんな形のビジネスモデルが今アメリカではコロナが落ち着いて来ている今も伸び続けています。
コロナが終わろうとしても、リモートワークが定着し、大自然の中で仕事とライフスタイルのバランスをとりながら生きていくという事が、大流行しています。
人々は気づき出しているのです、生きる=仕事という従来の考え方がいかに愚かな事か。
生きるという事はお金をどれだけ稼ぐかという競争じゃない。
成功という事が、お金を沢山稼ぐというゴールに結びつく様な人生設計が間違っているという事をようやく叫べる世の中になって来た気がします。
自分にとって必要な分だけ働き、残りの時間は楽しむ。家族と過ごす、友達や恋人と過ごす、子供達と遊ぶ、誰かの為に力を貸す、こんな理想的な人き方を追求しているのが、新ノマド族です。
エアビーが10年以上前、会社設立と同時に一番最初に従業員に掲げた働き方のコンセプトが旅しながら働くという事です。
私の妻はその言葉に惹かれて10年前にエアビーの社員として働き始めました。
そして旅するように働き、ここハワイで一旦落ち着きました。
しかし、私たち家族は今でも旅しながら働くという事を意識しながら生きています。
企業が生産性のみを追求するのはもう古い。
人も同じ、成長する為にはバランスが大事です。
それには自分が自分の事をちゃんと知っている必要がある。
自分の立ち位置を知り、生活に必要なコスト、時間、自分が求めている事や、生き方、一生のコストまで、その全てを解った上で、力の掛け方具合がわかるという事です。
スマートライフという言い方もありますが、新ノマド族からは余裕が感じられ、人生を楽しんでいます。