空き家を民泊にしよう

今日は日本で急増中の空き家についてお話しさせていただきたいと思います。
最近ニュースでも話題になっているので空き家が増えているという事は、皆さんも何となくご存知だと思います。
空き家と聞いても田舎の過疎化が進んでいるような地域で起きている問題だと思っている方も多いと思いますが、実は都内でもこの空き家問題はかなり深刻化してきています。


実際、総務省の統計局が調べたコロナ前の2018年の調査でも人口が集中している東京都で対象となった767万戸のうち、10%を超える80万戸以上が空き家だったという信じられない様な結果も出ました。
しかし、都内で近所の10件に1件に空き家があるなんて正直実感がありません。
もちろん都内と言えども色々な地域で状況は違えど、逆に住宅不足が問題になっている地域もあり、その深刻度合いは地域毎で大きく異なります。
外観からは空き家に見えない様な物件も長い間人が住んでいないなんて事も多くあったり、マンションなどの空室状況は一般的には分かり難いです。
とにかく、せっかくの資産を資産として活用出来ずに手をこまねいているオーナーが日本には非常に多いという事が言える訳で、その運営方法が賃貸以外に思い付かないという事も実際にはある様です。
民泊を知っていても何かグレーなイメージがあった

り、近隣の迷惑にならないかという事が気になってしまい、選択肢として考え難いなどと思っているオーナーも少なくない様です。
このような空き家をもっと民泊などの事業に活用していく事は出来ないのだろうか?

実は日本はこれから国家の収益として観光事業に注目している企業や個人事業家が非常に増えています。
これからの日本の観光事業に対する期待は非常に高いという事が言えます。その理由として日本が抱える深刻な高齢化や、ここ20−30年で大きく遅れをとってしまったIT産業等で停滞で、日本は世界の経済のメインストリームから脱落してしまい、今後日本の経済復興の為にはどうしても日本独自の資本で盛り返していくことが必要になってきます。
沖縄をハワイの様に盛り上げていこうなんて言う事を真剣に考えている企業も多く、沖縄はハワイの様にできるなんて言うどころか、ハワイにも勝る要素が沢山あると言う人達も沢山います。

そして民泊に関しては国家レベルで何度となく緩和されてきています。
やはり民泊が抱える大きな問題点は、元々あるホテルなどの宿泊施設に対して経営的な被害を与えないように協調していく事と、地域住民の理解が必要になって来ます。
急激な民泊制度の緩和は周りの宿泊施設や住民の猛反発を受ける事は間違いなく、国もそこを配慮しながら民泊に大きな期待を抱いています。
私も世界各国の民泊制度を調べた事がありますが、日本ほど民泊に対して国家が慎重に支援をしている国を他に見た事がありません。

民泊を推し進めていく事はこの日本の空き家問題の大きな解決策にもなりうるし、観光産業の発展にも大きな力になります。
そして、空き家を持っているだけで維持費がかかっているだけのオーナーに対しても、民泊を運営する事で維持費を払える上にゲストから収入を得ることが可能になってきます。

まずはそんな方達にステップ1として実際に民泊を少しでも理解してもらう為に、どんな法律で規制されているのかということをお話します。

まず、民泊は現在大きく分けて次の3つの種類に分別されます。

1,旅館業法
2,民泊新法
3,民泊特区

日本で民泊が流行り出した2014年頃はまだ民泊に関する法律が全く整ってなくて、殆どの民泊が1の旅館業法に従っていかなくてはならなかった。
この旅館業法は昭和23年に制定されたかなり古い法律です。

まず旅館業法について説明しますと、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業という4つの営業法に分かれます。
民泊新法が出来るまではこの4つのどれかに当てはめて民泊の営業許可を取るという事が合法的なやり方でした。
その中で殆どの民泊は簡易宿所営業で許可をとるというのが一般的でした。
下宿営業というのもありますが、下宿営業は1ヶ月以上の単位の宿泊施設なので、民泊の様な短期の滞在とは違います。
ホテル営業は10室以上の宿泊施設で、旅館営業というのは5室以上の宿泊施設なので、民泊の様な小規模では必要ありません。

この様な古い法律に従うしかなかった為、違法性の高い民泊が違法民泊としてメディアで騒がれていたという事が現状としてありました。
例えばこの旅館業法のルールではフロント業務の設置というのを義務付けていましたが、まずフロント業務というのはホテルなどの入り口にあるカウンターです。
そこに常時、人を従事させて主に防犯に努めよという事なのですが、現代の状況と80年前とではあまりに違いすぎてしまいます。
現代では防犯カメラを設置することで事足りてしまいます。

そこで2016年、当時の安倍内閣はこの法律に上乗せする形で条例を出して旅館業法を緩くしましたが、それでは事足りず、ついに2018年に民泊を推進する為にも、2の民泊新法が施行されました。
これは新しく出来た法律で、当時民泊を厳しく規制する為に作られた法律だという解釈もありましたが、実際には2020年の東京オリンピックに向けても民泊を運営し易くする為の法律だったと言う事です。
これによって一時は民泊が激減しましたが、その後はしっかりとルールを守った合法的な民泊がゆっくり増加していきました。

最後に3の民泊特区とは”国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業”と言いますが、日本人でも利用する事ができます。
民泊新法が出来る以前は、原則として宿泊期間が1ヶ月未満の施設では旅館業法が適用され、フロント設置、宿泊者名簿の作成義務、衛生管理、保健所による立入検査など様々な義務が課されますが、民泊特区内に限って従来の規制を大幅に緩和することが認められている事で、民泊を合法的にするにはこの民泊特区として認められた地域でやるしかなかったとも言えます。

現在、この民泊新法が出来た事で非常に民泊運営がやり易くなりました。
空き家を民泊にする事は、税務上も大きなメリットがあります。
空き家として所有している事によって、自治体で特定空家に指定されてしまうと土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなってしまいます。
空き家を民泊にしておくことによって、特定空家の指定は回避できます。

これから増えていくと言われている空き家問題、ただ所有しているだけでは何のメリットもなく、資産として所有するどころか大きな負債にもなりうる空き家の解決策として、賃貸だけではなく民泊として所有する事により、大きな資産になるという事を多くの人達にも理解して欲しいと思います。
そしてそれは日本という国のこれからの新しい観光収益にもなり、国民も利益を得る事が出来て、まさにWin -Winになる事が出来ます。

自分が空き家を所有していなくても、空き家を抱えて困っているオーナーを見つけて、それを安く借りたり買い取ったりして、民泊を運営して成功している人も多くいると聞きます。
これもまさにWin -Winですね。
空き家で民泊運営、私も日本に戻り住むという事は可能性として常に考えております。
その時は自分の住みたい様な田舎で困っているような空き家を買い取って、自分でリモデルして民泊運営をするのは可能性としてかなり高くあります。

日本を内側から見ていると気づき難いですが、日本を外側から見ていると日本の良さがすごく解ります。
日本はかなり個性的な国です。
日本にしかない独特なもが豊かに溢れた国だと感じます。


独特な都会の雰囲気とそこから離れた自然の素晴らしさ、観光資源に溢れ幅広い層に魅力がある国です。

空き家を有効活用する事で過疎化が進む様な場所にもポテンシャルがあります。
もちろんそこに行くまでのインフラなどもありますが、配車サービス等を充実させてもっと国際的に便利にしていく事が出来れば、グンと伸びる可能性がまだまだあると感じます。

今は海外から来る人は宿泊施設を探すのはホテル等よりも先に民泊から探します。
コロナ以前はホテル等から探すのが一般的でしたが、もうそれは昔の話です。
コロナで鎖国状態だった日本からすると状況が以前と一転している事に気づき難いですが、皆さんが気付くのも時間の問題でしょう。

空き家と言ってネガティブなイメージがあったと思います。
少しでも有効活用して空き家を民泊として活用する以外にも、勿論まだまだ考えられる様な事が他にも沢山あるでしょう。
しかし、一つの手段として空き家を利用する民泊はこれからの日本の観光の発展と現代の日本の経済状況にもプラスになり、そして皆さんの経済状況にもプラスになる素晴らしい活用方法であるという事がいえます。